「アクセス数は増えているのに、売上につながっていない」
この状態が起きるのは、多くの場合KPIの設計に原因があります。
測りやすい数字を追っているうちに、事業成果との接続が切れてしまう。
この記事では、そうならないためのKPI設計の考え方と、具体的な手順を整理します。

用語の整理から始めます。
KGIが「山頂」だとすれば、KPIは「登山道の各地点」です。
山頂だけを見ていても、いまどこにいるのか、道を間違えていないかは分かりません。
ここが最も重要な考え方です。
KPIには、KGIより先に動く指標を選んでください。
売上が確定してから「今月は良くなかった」と分かっても、打つ手はもうありません。
問い合わせ件数、商談化率、サイトへの流入。
これらは売上より先に動きます。だからこそ、途中で軌道修正ができます。

まず、最終的に達成したい成果を数値で定義します。
「認知度を高める」では測れません。
「年間の新規受注を◯件」「売上を前年比◯%」のように、数字で表現してください。
期限も必要です。いつまでに達成するのかが決まっていないと、進捗の判断ができません。
KGIを構成する要素に分けていきます。
BtoBのWebマーケティングであれば、こういう分解になります。
受注件数 = 商談件数 × 受注率 = 問い合わせ件数 × 商談化率 × 受注率 = サイト訪問数 × 問い合わせ率 × 商談化率 × 受注率
この形にすると、どの数字を動かせば受注が増えるかが見えます。
訪問数を2倍にするのは大変ですが、問い合わせ率を改善するほうが早い場合もあります。
分解しないと、この比較ができません。
分解した各段階のうち、どこが弱いかを確認します。
すべてを同時に改善することはできません。
最も弱い段階から着手してください。
ボトルネックに直結する指標を、KPIとして設定します。
ここで数を絞ることが重要です。
KPIは3〜5個まで。
10個並べると、どれも意識されなくなります。
各KPIに、具体的な数値目標を設定します。
過去の実績があれば、それを基準にしてください。
実績がない場合は、まず現状を測ることから始めます。
いきなり高い目標を設定するより、現在地を把握するほうが先です。

KPIとして機能する条件を整理しておきます。
データとして取得できなければ、KPIになりません。
「顧客満足度」を掲げても、測る仕組みがなければ運用できません。
設定する前に、その数字がどこから取れるかを確認してください。
数字が悪かったとき、何をすればいいかが分かる指標を選んでください。
「ページビュー数」が下がったとして、次に何をしますか。
この問いに答えられない指標は、KPIとして機能しません。
外部要因に大きく左右される指標は、KPIに向きません。
市場全体の需要や競合の動きは、自社ではコントロールできません。
いつまでに、いくつ。
この2つが揃って初めて、進捗を判断できます。

段階ごとに、代表的な指標を整理します。
最後の指名検索数は、認知施策の効果を測る数少ない手がかりです。
BtoBでは検討期間が長いため、この中間段階の指標が重要になります。
問い合わせがゼロでも、料金ページの閲覧が増えていれば前進しています。
最後の2つを分けて見ると、課題の所在が絞れます。
フォームに到達しないのは導線の問題。
到達しても送信しないのはフォーム自体の問題です。
広告を運用している場合、CPAだけで判断しないでください。
CPAが低くても、受注につながらないリードばかりでは意味がありません。
あわせて読みたい:GA4のコンバージョン設定|キーイベントの考え方と設定手順
測れない目標は、目標ではありません
KPIを決める前に、その数字が取れる状態かを確認する。
この順番を逆にすると、運用が止まります。
LUPINAは計測環境の構築からご一緒します。
ご相談は無料です。しつこい営業は行いません。
最も多い失敗です。
網羅性を求めて10個以上並べると、優先順位が消えます。
結果として、報告のために数字を集めるだけの作業になります。
ページビュー数、SNSのフォロワー数、記事の公開本数。
これらは取得が簡単ですが、事業成果との接続が弱い指標です。
フォロワーが増えても受注が増えないなら、KPIとしては機能していません。
「なぜその数字を追うのか」を説明できないKPIは、途中で形骸化します。
KGIから分解して導いたものかどうか、確認してください。
事業のフェーズが変われば、追うべき指標も変わります。
立ち上げ期は認知の指標、成長期は獲得効率の指標。
四半期ごとに妥当性を確認してください。
SEOやコンテンツマーケティングは、成果が出るまで時間がかかります。
始めた直後に「問い合わせ件数」だけをKPIにすると、数か月間ゼロが続きます。
この期間に施策が止まってしまうケースは少なくありません。
立ち上げ期は行動量の指標を併用してください。
「月4本公開する」「既存記事を2本改善する」といった、確実に達成できる目標です。

指標によって、適切な頻度は違います。
SEO関連の指標を週次で追うと、変動に振り回されます。
月単位で見てください。
数字だけでなく、その期間に何をしたかを併記してください。
施策と数字が並んでいないと、何が効いたのか判断できません。
スプレッドシート1枚で十分です。
KPIが改善しない場合、原因は2つに分かれます。
記録があれば、この判断ができます。
記録がなければ、感覚で議論することになります。
KPIは、担当者だけが見ていても機能しません。
特に経営層とは、成果が出るまでの期間を事前に共有しておいてください。
SEOやコンテンツは半年から1年かかります。
この前提がないまま3か月で判断されると、施策が途中で止まります。

KPI設計で重要なのは、指標の数ではありません。
KGIから分解して導かれているか。
その数字が動いたとき、次の行動が決まるか。
この2つを満たしていれば、3つでも十分に機能します。
また、測る仕組みがなければKPIは運用できません。
指標を決める前に、その数字がどこから取れるかを確認してください。
まずは自社のKGIを1つ書き出し、それを4段階に分解してみてください。
どこが弱いかが見えたら、そこが最初のKPIになります。
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