MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を作ったのに、誰も覚えていない。
額に入れて飾られ、会社案内に載り、それきり。
こうした「作っただけのMVV」に共通するのは、社員の誰も当事者意識を持てていないことです。
この記事では、MVVの基本を押さえたうえで、社員が「我ごと」として受け止め、行動が変わるMVVの策定方法を、実際に全社員を巻き込んで策定した経験をもとに解説します。
MVVはあるのに、社員の行動につながっていない
LUPINAは、MVVの策定から、全社を巻き込むワークの設計、社内への浸透までをご一緒します。まずは現状の課題整理からご相談ください。

MVVは、企業の存在意義と目指す姿、大切にする価値観をまとめたものです。
三つの中で、社員の日々の行動に最も直結するのはバリューです。
ミッションとビジョンが方向を示し、バリューが「その方向にどう進むか」を示します。
あわせて読みたい:企業理念の言語化|曖昧な言葉を判断基準に変える方法

執筆者は、作っただけで終わるMVVとは、誰も当事者意識や企業への帰属意識を持てていないMVVだと考えています。
言葉がどれだけ整っていても、社員が「自分には関係ない」と感じていれば、行動は変わりません。
問題は言葉の出来栄えではなく、社員との距離にあります。
MVVを経営陣だけで決めること自体は、間違いではありません。
意思決定が早く、経営の意志がまっすぐ反映されるという利点もあります。
ただ、出来上がったものが社員にとって「上から降ってきた言葉」になると、当事者意識は生まれにくくなります。

執筆者がMVVの策定に関わったときは、全社員を対象に、グループワークなどを通じて策定しました。
全社員を巻き込んだ理由は、一つです。
当事者意識のある人のアウトプットは、そうでない人と比べて、量もスピードも大きく違うからです。
自分たちで考え、議論し、選んだ言葉には、一人ひとりの思いが入ります。
その言葉を守ろうとする意識が、日々の行動の差になって表れます。
もちろん、どれだけ丁寧に進めても、全員が同じ熱量になるわけではありません。
なじまない人も、異端児のような人もいます。
それは組織として自然なことで、全員の完全な一致を目指す必要はありません。
大切なのは、多くの社員が「自分たちのMVVだ」と感じられる状態をつくることです。
「我ごと」になったMVVが、組織を動かす
全社を巻き込むワークの設計から、言葉づくり、浸透まで。
LUPINAは策定の場づくりからご一緒します。
ご相談は無料です。しつこい営業は行いません。

なぜ今MVVを作るのかを、全社員に伝えるところから始めます。
組織の拡大、方向性のばらつき、事業の転換点。
背景が共有されていないと、ワークは「やらされ仕事」になります。
全社員を巻き込むといっても、白紙から議論するわけではありません。
経営陣が大切にしたいこと、譲れないことを先に示し、それを土台に議論してもらいます。
経営の意志と現場の実感を重ね合わせることが、策定の要です。
部署や役職を混ぜた少人数のグループで、次のような問いを話し合います。
抽象的な理念を議論するより、具体的な経験を出し合うほうが、実感のこもった言葉が集まります。
集まった言葉を、少人数のチームで整理し、ミッション・ビジョン・バリューの形に落とし込みます。
このとき、バリューは「迷ったときに判断できる言葉」になっているかを必ず確認します。
誰が読んでも同じ行動を思い浮かべられるかが基準です。
まとめた案を全社員に戻し、「自分たちの言葉になっているか」を確かめます。
ワークで出した言葉が反映されていると分かると、当事者意識はさらに強まります。
完成したMVVを、評価、表彰、採用面接、会議の判断基準などで実際に使います。
使われる場面がなければ、どれだけ丁寧に作ったMVVも、いずれ「作っただけ」に戻ってしまいます。
あわせて読みたい:インナーブランディングとは|組織に理念を浸透させる進め方

MVVの策定に関わる中で、執筆者が強く感じていることがあります。
人が本気で働く理由は、給与でも役職でもないということです。
もちろん待遇は大切です。ただ、それだけで当事者意識は生まれません。
自分としてのやりがいを感じられているか。
自分が大切にしている哲学を全うして働けているか。
MVVは、この「やりがい」と「哲学」を、会社の方向と重ね合わせるためのものだと考えています。
響きのよい言葉を選ぶことに時間をかけ、現場の判断に使えない言葉になってしまう。
言葉の美しさより、使えるかどうかを優先してください。
全社集会で発表し、ポスターを貼り、それで完了としてしまう。
浸透は発表の後から始まります。
全員が納得するまで議論を続けると、いつまでも決まりません。
例外がいることを前提に、多くの社員が我ごとにできる状態を目指してください。
経営陣だけで決めるより時間はかかります。
ただ、策定の過程そのものが浸透の第一歩になるため、完成後に浸透させる手間を含めて考えると、決して遠回りではありません。
全員が同じ場に集まる必要はありません。
部署や拠点ごとにグループワークを行い、出てきた言葉を集約する形にすれば、規模が大きくても全社員が関わる仕組みをつくれます。
ミッションは長く変わらないものですが、ビジョンやバリューは、事業や組織の大きな変化に合わせて見直すことがあります。
M&Aや事業の転換、組織の急拡大などがあったときは、見直しを検討するタイミングです。

作っただけのMVVと、組織を動かすMVVの違いは、社員が当事者意識を持てているかどうかです。
経営陣だけで決めることも間違いではありません。
ただ、全社員をグループワークなどで巻き込み、自分たちの言葉として作り上げたMVVは、アウトプットの量とスピードに大きな差を生みます。
例外がいることを受け入れつつ、一人ひとりのやりがいや哲学と、会社の方向を重ね合わせていく。それがMVV策定の本当の目的です。
まずは、社員に「自社が一番顧客に喜ばれた瞬間」を聞いてみてください。
その答えの中に、MVVの種があります。
Contact
まだ届いていない価値を、
共に見つけ、共に創り、共に届ける。
LUPINAは、MVVの策定、全社を巻き込むワークの設計から、社内浸透、オリジナル楽曲によるインナーブランディングまでを社内で手がけています。
ご相談・お見積りは無料です。サービス内容はこちら