住宅展示場の来場者数を増やす方法|集客戦略と運営改善のポイント


「イベントを企画しても、なかなか来場者数が増えない」
「来場はあっても、商談につながらない」

住宅展示場の集客担当者から、こうした声をよく聞きます。

実際、総合住宅展示場の来場者数は長期的な減少傾向にあります。
ただし、月次で見ると増加に転じる月もあり、単純に「もう展示場は機能しない」という話ではありません。

この記事では、統計データをもとに現状を整理したうえで、来場者数を増やすための具体的な施策と、来場後の運営改善までを解説します。

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データで見る住宅展示場の現状

来場者組数は3年連続で減少

住宅生産振興財団と住宅展示場協議会の集計によると、2024年度(2024年4月〜2025年3月)の総合住宅展示場の来場者組数は300万6554組でした。

前年度比では5.5%の減少となり、3年連続のマイナスです。
コロナ禍以前の2018年度は400万組を超えていたため、6年間でおよそ3割減った計算になります。

減少の背景には、来場者側の行動変化に加えて、展示場の会場数やモデル棟数そのものの減少も影響していると報じられています。

参照:住宅産業新聞「住展協調べ・2024年度の総合住宅展示場来場者組数」(2025年5月15日)

ただし、単調な右肩下がりではない

一方で、月次のデータを見ると状況は一様ではありません。

2026年5月の来場者組数は27万660組で、前年同月比5.1%の増加となり、6か月ぶりのプラスに転じました。
エリア別では、関東や信越・北陸で二桁の増加が見られた一方、東北と近畿は減少が続いています。

つまり、市場全体の縮小トレンドはあるものの、エリアや時期によって振れ幅が大きいということです。

「業界全体が悪いから仕方ない」で終わらせず、自社の展示場がどの局面にいるのかを数字で把握することが出発点になります。

参照:新建ハウジング「住宅展示場来場者、6カ月ぶり増加」(2026年6月)

減っているのは「来場数」だけではない

もうひとつ押さえておきたいのが、来場者一人あたりの行動量の変化です。

ネットで事前に情報を集められるようになった結果、来場前に候補をある程度絞り込んでから足を運ぶ人が増えています。

展示場側から見ると、これは二重の課題になります。
来場者数が減るうえに、一人が見て回る棟数も減る。つまり自社モデルハウスが選択肢に入る確率そのものが下がっているということです。

だからこそ、来場前の段階でどう認知されるかが、以前より重要になっています。

展示場と完成見学会は、狙う層が違う

集客施策を考える前に、展示場の性質を整理しておきます。

完成見学会は単発のイベントで、実際の施主が建てた家を見せるものです。
来場者は比較的、検討が進んだ段階にいます。

対して総合住宅展示場は常設で、複数のハウスメーカーが並ぶ場です。
来場者の多くはまだ検討初期で、「そもそもどんな家が建てられるのか」を知りに来ています。

この違いを踏まえずに、見学会と同じ接客をすると噛み合いません。
展示場では、その場で契約を狙うのではなく、次の接点をどう確保するかが目標になります。

あわせて読みたい:住宅完成見学会の集客完全ガイド|企画・告知・当日運営・追客まで

ターゲットと独自性を明確にする

ペルソナを設計する

誰に来てほしいのかを具体的に描きます。

「若い夫婦」ではなく、年齢、職業、家族構成、趣味、住まいへのこだわり、情報収集の方法、抱えている悩みまで掘り下げてください。

ここが定まると、SNSでの発信内容も、イベント企画も、広告を出す媒体も自動的に絞られます。

 

検索キーワードを調べる

そのペルソナがどんな言葉で検索しているのかを、Googleキーワードプランナーなどで確認しましょう。

「注文住宅 費用」「平屋 間取り」「地域名 住宅展示場」。
実際に検索されている言葉は、想像とずれていることがよくあります。

 

独自性を言語化する

総合住宅展示場では、来場者は複数社を横並びで比較します。
そのなかで記憶に残るには、伝えたいことを絞る必要があります。

 

構造・性能

耐震構造、断熱性能、省エネ性。
これらは数値で語れる領域なので、具体的な指標を示すほど伝わります。

デザイン・間取り

自然素材を使った内装、家事動線を考えた回遊型の間取りなど、コンセプトを言葉にしておきましょう。

サポート体制

点検の頻度と期間、担当者の体制、引き渡し後の相談窓口。
住宅は購入後の期間が長いため、ここは強い差別化要素になります。

 

 

オンライン集客の施策

SNSの活用

Instagram

施工事例やモデルハウスの内装を、写真とショート動画で発信します。
統一感のある投稿を続けることで、世界観そのものが伝わります。

YouTube・TikTok

ルームツアー動画は、展示場と特に相性が良い形式です。

実際に歩いているような映像で、間取り、収納、設備の使い勝手を伝えられます。
短尺で興味を引くTikTok、詳細を伝えるYouTubeという使い分けが基本です。

SNS広告

年齢、地域、興味関心でターゲットを絞って配信できます。
展示場の商圏は物理的に限られるため、地域を絞れる点は大きな利点です。

あわせて読みたい:工務店のInstagram集客完全ガイド|運用戦略と成果につなげるコツ

Webサイトと検索対策

SEO対策

「地域名 住宅展示場」「地域名 注文住宅」といったキーワードでの上位表示を狙います。

展示場は商圏が明確なので、地域名を含むキーワードに集中するのが効率的です。

Googleビジネスプロフィール

Googleマップ上での表示を最適化します。

住所、電話番号、営業時間、写真を正確に登録し、口コミには丁寧に返信しましょう。
「近くの住宅展示場」と検索する層に直接届く導線です。

あわせて読みたい:工務店のMEO対策完全ガイド|Googleマップで地域集客を最大化する秘訣

来場前の体験を提供する

VR・3Dモデルハウス

オンライン上でモデルハウスを内覧できる仕組みです。

遠方の方や、まとまった時間が取れない方でも、事前に空間を把握できます。
来場前に候補を絞る層が増えている以上、この段階で選択肢に入っておく意味は大きくなっています。

無人内見の仕組み

スマートロックなどを使い、営業担当者の立ち会いなしで見学できる方式です。

営業されることへの心理的な負担を避けたい層に対して有効で、営業時間外の来場も受け入れられます。

ただし、その場でのヒアリングができないため、アンケートやアプリでの情報取得を必ず設計に組み込んでください。
これがないと、来場実績が記録に残らず、追客につながりません。

 

 

LINE公式アカウントで接点を維持する

来場予約フォームとLINEを連携させると、予約完了と同時に情報提供を始められます。

家づくりに役立つ情報、イベント告知、個別相談の案内。
検討期間が長い商材だからこそ、途切れない接点が効いてきます。

「来場者が減った」の中身を分解する

市場全体の縮小なのか、自社の露出不足なのか、導線の問題なのか。
原因が違えば打ち手も変わります。
LUPINAは計測設計から改善までご一緒します。

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オフライン集客の施策

チラシ・ポスティング

配布エリアを絞る

展示場からの距離、開発予定地、集合住宅の分布などを踏まえて、配布範囲を限定します。

無差別配布より、対象を絞ったほうが費用対効果は高くなります。

手に取ってもらう工夫

圧着ハガキ型や小冊子を挟み込む形式など、開封の動機をつくる仕掛けがあります。

ただし制作費が上がるため、通常のチラシと反応率を比較したうえで判断してください。

 

既存顧客・休眠層へのアプローチ

DMで休眠リードを掘り起こす

過去に資料請求はあったが来場に至っていない層は、まったくの新規より反応が期待できます。

限定イベントの案内や、当時の関心事に沿った情報を送ることで、再び動き出すきっかけになります。

地域情報誌の活用

地域住民の接触率が高い媒体です。
イベント情報や地域貢献活動を掲載することで、認知と親近感の両方を得られます。

地元店舗とのコラボ

近隣のカフェやベーカリーと提携し、来場者に特典を用意する企画です。

来場の動機づけになると同時に、地域との関係構築にもつながります。

 

看板・のぼりによる視認性の確保

展示場周辺や主要道路沿いのサインは、通りがかりの来場を生みます。

常設だからこそ、季節ごとに内容を更新して「変化がある場所」だと認識してもらうことが有効です。

 

 

来場動機をつくるイベント企画

展示場は常設です。
つまり「今行く理由」を用意しないと、来場は先送りされ続けます。

イベントの役割は、この先送りを止めることにあります。

家族向けの体験イベント

子ども連れの来場を増やす企画は、親がゆっくり見学できる時間を生む効果もあります。

キャラクターを起用する企画は集客力が高い一方、版権元の許諾と使用料が必要です。
費用と手続きを事前に確認してください。

 

検討層向けの情報提供イベント

集客数だけを追うと、購買意欲の低い来場者が増えて営業効率が落ちます。
質を担保するには、検討層に刺さるテーマの企画を並行させることです。

特に資金面の不安は、多くの人にとって最初の障壁です。
ここを解消できる場を用意すると、検討が具体化しやすくなります。

 

 

来場後の満足度を高める

モデルハウスの状態を保つ

常設である以上、日常の管理が印象を左右します。

整理整頓と清潔さは前提として、季節ごとにインテリアを変えると、再訪時にも新鮮さがあります。

性能を体感できる展示

断熱性、防音性、耐震性は目に見えません。

サーモカメラでの温度比較、構造模型の展示、防音を体験できる空間など、体感に変換する工夫が納得感を生みます。

 

家族全員が過ごしやすい環境

キッズスペース、授乳室、おむつ交換台。
これらの有無が、滞在時間に直結します。

検討が進んだ層向けには、落ち着いて相談できる個室を用意すると、話の深さが変わります。

最初の接客

展示場の来場者は、検討初期であることが多い層です。
つまり、まだ売り込まれる準備ができていません。

最初の声かけでは、まず来場の目的を聞き、相手のペースに合わせてください。
その場で商談に持ち込もうとするほど、次の接点は遠のきます。

 

 

効果測定と改善

KPIを段階ごとに設定する

来場者数だけを追っても、どこに問題があるのかは分かりません。
段階ごとに指標を持ってください。

どの段階で数字が落ちているかが分かれば、打つべき手が特定できます。

 

アンケートで定性的な情報を取る

なぜ来場したのか、何に関心を持ったのか、改善してほしい点は何か。

数字には表れない情報が、次の企画の材料になります。
「営業が強く感じた」という声が複数出るなら、接客の見直しが必要だというサインです。

 

季節性を織り込んだ年間計画

住宅の検討は、時期によって活発さが変わります。

月次で結果を確認しつつ、年間の計画には季節要因を織り込んでおきましょう。
前年同月と比較する習慣をつけると、施策の効果と季節変動を切り分けられます。

 

 

よくある質問

集客にかけられる予算の目安は

展示場の規模、目標来場者数、地域特性によって大きく変わるため、一律の目安を示すのは適切ではありません。

重要なのは金額ではなく、費用対効果を測れる状態にあるかどうかです。

まずは効果測定がしやすい施策から少額で試し、チャネルごとの獲得単価を把握してください。
その数字が出てから、配分を決めるほうが確実です。

 

チラシとSNS広告、どちらが効果的か

ターゲット層によって答えが変わります。

SNS広告は若年層や特定の関心を持つ層に届きやすく、効果測定も容易です。
チラシは、インターネットでの情報収集が中心でない層や、地域での認知度向上に向いています。

どちらか一方ではなく、両方を試して自社の商圏での反応を比較するのが現実的です。

 

来場は増えても商談に繋がらない

原因は2つに分けて考えてください。

集客側の問題であれば、イベント目当ての層ばかり集まっている可能性があります。
検討層向けのセミナー企画を並行させ、来場者の構成を変える必要があります。

接客側の問題であれば、検討初期の来場者に対して踏み込みすぎている可能性があります。
展示場での目標を「契約」ではなく「次のアポイント獲得」に置き直すと、会話の組み立てが変わります。

 

集客業務を外部に委託する際の注意点

委託先を選ぶ際は、実績と得意分野、費用体系を確認してください。

特に重要なのは、住宅業界の商習慣を理解しているかどうかと、効果測定の報告体制が明確かどうかです。

丸投げにせず、自社の強みや現場で得た情報を共有しながら進めることで、施策の精度が上がります。

 

 

まとめ

総合住宅展示場の来場者組数は3年連続で減少し、2018年度と比べると約3割減の水準にあります。
一方で月次では増加に転じる局面もあり、エリアや時期による差も大きくなっています。

市場環境を理由にする前に、自社の展示場がどの段階でつまずいているかを数字で把握することが先です。

来場前の認知、来場動機の設計、当日の体験、次の接点の確保。
この4つのどこに穴があるかで、打つべき手は変わります。

まずは、現在の来場者がどのチャネル経由で来ているかを記録するところから始めてみてください。

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