会社案内を作ったのに、営業が使っていない。
制作に時間と費用をかけた割に、机の引き出しに眠っている。
この状態は、デザインの問題ではなく、誰が、どの場面で、何のために使うかが決まっていなかったことが原因です。
この記事では、営業の現場で実際に使われる会社案内の作り方を、構成・制作の流れ・運用まで整理します。

会社案内は、場面によって求められる内容が変わります。
すべてに対応しようとすると、どの場面でも使いにくいものになります。
主な用途を1つか2つに絞ることが、使われる会社案内の第一条件です。
執筆者が住宅会社で会社案内を作った際、最初につまずいたのはデザインでも原稿でもなく、この「目的の仕切り」でした。
営業現場には現場の要望があり、経営側には経営側の伝えたいことがあります。
どちらも正しい。しかし、両方を網羅しようとすると、誰にとっても使いにくいものになります。
誰のために作り、何を伝える必要があるのか。
ここを最初に決め切らないまま進めると、制作の途中で何度も手戻りが発生し、結局良いものにはなりません。
網羅することが正解ではない。
これを関係者全員で共有してから、制作に入ってください。
「サイトがあるから会社案内はいらない」という考え方もあります。
ただし、商談の場で相手の手元に残るもの、社内で回覧されるものとして、紙には固有の役割があります。
サイトと同じ内容を印刷するのではなく、対面で渡すことを前提にした構成にしてください。

制作の前に、この条件を押さえておくと手戻りが減ります。
会社案内は、読んでもらうものではなく、営業が説明に使うものです。
ページをめくりながら「私たちはこういう会社で、こんな実績があって、こう進めます」と話せる順序になっているか。
営業のトークの流れに沿っていない構成は、使われません。
初めて会う相手は、こういう順番で考えています。
会社の歴史や社長挨拶から始まる構成は、相手の疑問に答える順になっていません。
実績、社員数、拠点、取引先は変わります。
全ページを刷り直さないと更新できない構成だと、古い情報のまま使い続けることになります。
変わりやすい情報は差し込み式にするなど、更新を前提に設計してください。

一般的な構成要素と、それぞれで押さえるべき点を整理します。
社名とロゴだけでなく、何の会社かが一言で分かるようにしてください。
「株式会社◯◯」だけの表紙は、何の会社か伝わりません。
何をしている会社で、誰に、どんな価値を提供しているか。
ここに理念やメッセージを置く場合、抽象的な言葉だけにならないよう注意してください。
「お客様第一」「誠実」は、どの会社の案内にも書いてあります。
あわせて読みたい:企業理念の言語化|曖昧な言葉を判断基準に変える方法
自社の視点ではなく、相手の課題から書くと伝わります。
「◯◯事業を展開しています」ではなく、「こんな課題を、こう解決します」という形です。
最も読まれる部分です。
業種、規模、課題、実施内容、結果。
この流れで書かれていると、相手は自社に置き換えて考えられます。
掲載には顧客の許諾が必要です。
提案の段階で「事例として紹介させていただけるか」を確認しておく習慣をつけてください。
相談から契約、実行までの流れを図で示します。
「頼んだらどうなるのか」が分かると、相手の不安が減ります。
社名、所在地、設立、代表者、事業内容、取引先、許認可。
信頼性を確認するための情報なので、簡潔に、正確に。
更新頻度が高いため、差し込み式にするか、最終ページにまとめてください。
ページ数が増えるほど、読まれる部分は減ります。
読んでもらう資料ではなく、営業が使う道具
構成は、営業のトークの流れから逆算して決めます。
LUPINAは現場へのヒアリングからご一緒します。
ご相談は無料です。しつこい営業は行いません。

最初にやるべきことです。
この聞き取りを飛ばして作った会社案内は、ほぼ使われません。
主な用途を絞り、相手の疑問の順に構成を組みます。
この段階で、ページ数と判型(A4か、二つ折りか、冊子か)も決めてください。
後から変えると、デザインがやり直しになります。
デザインより先に、原稿を固めます。
原稿が未確定のままデザインに入ると、文字量の変動でレイアウトが崩れ、修正が繰り返されます。
原稿は、社内で書くか、制作会社に執筆を依頼するかを決めておいてください。
見積もりに原稿執筆が含まれていないケースは多くあります。
素材集の写真は避けてください。
実際の社員、実際の現場、実際の製品。
会社案内で伝えるべきは「この会社らしさ」なので、どこにでもある写真では意味がありません。
撮影が必要なら、見積もりに含まれているかを確認してください。
ロゴ、カラー、フォント、トーン。
ガイドラインがあれば、サイトや名刺と印象を揃えられます。
なければ、会社案内の制作をきっかけに、最低限のルールを決めておくと、以降の制作物に活きます。
あわせて読みたい:ブランドガイドラインの作り方|決めるべき7項目と形骸化させない運用
印刷前に、実際の商談で使ってもらってください。
「この順番だと話しにくい」「ここを聞かれるが答えがない」。
現場の反応を反映してから印刷に進めば、作り直しを防げます。

一度に大量に刷ると、情報が古くなっても使い続けることになります。
少部数で刷り、更新のたびに刷り直すほうが、結果として無駄が減ります。
メールで送る、商談後に共有する。
紙と同じ内容のPDFを用意しておけば、用途が広がります。
ただし、PDFは画面で読まれるので、文字の大きさや見開きの扱いに注意が必要です。
作って終わりにしないために、誰がいつ見直すかを決めてください。
年に1回、実績と会社概要を確認する。
このルールがないと、3年前の情報を渡し続けることになります。
歴史、理念、組織図、社長挨拶。
これらは会社側が伝えたいことであって、相手が知りたいことではありません。
総務や広報だけで作ると、現場で使えないものになります。
使う人の意見を、最初と最後に必ず入れてください。
「かっこいいものを」から始めると、中身が後回しになります。
構成と原稿が先、デザインは後です。
会社案内に書いてある事業内容と、サイトの記載が違う。
相手は両方を見ます。
矛盾があると、どちらも信用されなくなります。

会社案内は、読んでもらう資料ではなく、営業が使う道具です。
誰が、どの場面で、何のために使うか。
ここが決まっていれば、構成も内容も自然に決まります。
制作の順序は、営業への聞き取り、構成、原稿、写真、デザイン、現場での試用。
デザインは最後です。
まずは、いまの会社案内を営業に見せて「どこを使っていますか」と聞いてみてください。
使われていないページが、次に作るときに削るべき箇所です。
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